地域の中のゆるやかな関係づくりを誕生から最期まで

2016年3月29日 22時29分 | カテゴリー: 介護・福祉・医療, 子育て支援・女性・男女平等参画, 活動報告

3月27日はコミュニティや人と人の関係づくりについて考えさせられる二つの集まりに参加しました。特殊清掃による孤独死の現場から見えるもの。学生による子育てひろばの運営からできる地域のつながり。偶然同じ日になった企画ですが、かつてのムラや家族の関係性でない新たなコミュニティの再構築として、とても興味深い話です。

特殊清掃現場からーー孤立死の背景と地域で私たちがやるべきこと

講演する宮田昌次さん

講演する宮田昌次さん

午前中に聞いた話はとても衝撃的でした。小平のJC(青年会議所)が主催する講演会「ストップ!孤立死~セルフネグレクトを防ぐために」。特殊清掃や生前整理を仕事とする宮田昌次さんのお話。セルフネグレクトというのは単に自死を指すのではなく周囲との関係性を絶って暮らすこと。孤立死というとお年寄りが思い浮かびますが、高齢者の孤立死が見守り等の効果で減少しつつあるのに対して、いま増えているのは中高年に加え若者層だそう。そして、育児中の若い母親のセルフネグレクトもとても気になっているとのことで、事業を通して社会の課題が浮き彫りになっている形です。

宮田さんの会社のパンフレット。福岡にあるが、特殊案件施行士協会に入っている事業者がこだいらにもあるとのこと。

宮田さんの会社のパンフレット。福岡にあるが、特殊案件施行士協会に入っている事業者がこだいらにもあるとのこと。

時間がたった遺体がどうなるのか、現場を知っているからこそのリアルな話。夏場は3日、冬場は1週間で人の身体は変化しだす。数か月、長くて3年(!)という間、そのままになった遺体や部屋の処理をするのは生半可な気持ちではできない仕事です。臭いや蛆やハエ、腐乱する遺体…にもかかわらず、参入する事業者が多く中途半端な処理をして終わり、その後の再処理のための仕事も多いと言います。それだけ死後も孤独な人が多いということです。宮田さんは地元の福岡でNPO法人孤立防止センターを立ち上げ行政と組んで24時間の相談を行っています。 いくつかの紹介事例のうち、若者やネグレクトにより餓死していた小さな子ども、母子心中していた現場の話は忘れられない。

看取りの瞬間だけでなく、生きている間の人とのつながり――それはいつもいつも必ず誰かと一緒にいることではなく、必要な時困ったときにつながれるということ――が孤立死を防ぐのだと改めて考えさせられる話だった。
いくつかの紹介事例のうち、若者やネグレクトにより餓死していた小さな子ども、母子心中していた現場の話は宮田さん自身も忘れられないと言っていましたが、本当にショックでした。看取りの瞬間だけでなく、生きている間の人とのつながりが孤立死を防ぐのだと改めて考えさせられました。最期の瞬間に見送る人がない状態を100%ゼロにするのは難しいかもしれません。家族と一緒に住んでいてもひょっとしたらその瞬間はあるかもしれないからです。でも、亡くなった後に何日も何週間もそのままというのは、死の尊厳に関わることと、宮田さんの話を聞いて思いました。いつもいつも必ず誰かと一緒にいることではなく、必要な時・困ったときにつながることができる人や場がある――そんな地域をつくることが急がれています。

子育ては家庭・親だけでなく地域の人もいっしょに

白梅大学の先生たちによる報告とパネルディスカッション

白梅大学の先生たちによる報告とパネルディスカッション

午後は、白梅大学の「子育てひろば」の10周年の記念報告会でした。学生が自ら運営する子育ての場が10年続いていることはすごいことです。地域にこうした場があることは、子どもたちにとって多くの人と接して遊べるだけでなく、育てる親にとっても嬉しい場所になります。

学生たちの手作りの遊具。子どもたちが大喜びする様子が目に浮かぶ。

学生たちの手作りの遊具。子どもたちが大喜びする様子が目に浮かぶ。

子育てひろばには市内の子育て支援NPOや公民館講座からつながった保護者達の会もあり、数年前からは地域の居場所のグループなど、まさに大学の周りにいる「人たち」という意味での地域との関係性が深まっています。10年続けてきたことで広がった人のつながりの経過が報告によってよくわかりました。

子育てひろばに関わる様々なグループのパネル展示も

子育てひろばに関わる様々なグループのパネル展示も

交流会では学生さんたちとも話せたし、近所のデイサービスで働く高齢女性たちの元気っぷりとも出会えて、異世代が集まることでの広がりをしみじみ感じました。70歳過ぎてから介護関係の資格をとったという方もいてすごい!

白梅大学の食堂での交流会。会いたいと思っていた人たちに会えた嬉しい日

白梅大学の食堂での交流会。会いたいと思っていた人たちに会えた嬉しい日

午前と午後、問題提起と解決法としての一つのヒント、の1日でした。