マイナンバーについて真剣に考えました!

2016年1月18日 20時54分 | カテゴリー: 活動報告, 環境・まちづくり・行政, 議会・議会改革

総務省のホームページのマイナちゃん

 昨年11月までに小平市ではマイナンバーの通知カードが郵送されました。簡易書留の不在連絡後の手続きがとられなかったり、あて先不明で戻ってきたものが、1700通以上あったようです。
 さて、このマイナンバー制度、雑誌や書籍でも説明本がずいぶんも出ていますが、市民にとってはわかりにくいようです。生活者ネットワークでは早い段階から、市独自の説明会を開催するよう要望してきましたが、12月に3回の説明会が実現したほか出前講座も数多く開かれています。

 マイナンバー制度=個人番号カードの普及、という誤解
 私も中央公民館で開かれた説明会に参加しましたが、ここでも数多くの質問が出ていました。特に多いと感じたのは、「個人番号カードをつくる」ことに関連したこと。生活者ネットワークへも問い合わせがありましが、「個人番号カードを作ること=マイナンバー制度」と勘違いしている方が少なくありません。
 個人番号カードは本人の住所、氏名、生年月日、性別が記載されICチップに情報として入っており、写真と個人番号(=マイナンバー)が掲載されているカードですが、この申請は任意です。必要がなければ、届いた通知カード(12桁の個人番号が掲載された紙のカード)を保管しておくだけでOKです。ですが、写真を添えて申請して個人番号カード(マイナンバーカードとも呼ばれますが、これは俗称です)を作らなければならないと思っている人がいるのです。しかし、これは無理もありません。なぜなら、総務省の広報は明らかに「作らなくてもいい」というニュアンスが伝わらないようにできているからです。手元に届いた通知カードに同封された総務省の案内冊子では、大きな見出しとして「申請してね、個人番号カード」と大きな見出しになっていますし、通知カードと個人番号カードの申請書は一体となっています。
 それ以前の広報でもカードの便利さを強調する宣伝の仕方で、これでは個人番号カードを作らないといけないと勘違いしてしまう人が出ても不思議ではありません。特にお年寄りや障がい者など社会保障や福祉制度に関係の深い方ほど、そう思ってしまっていることが気になります。
 しくみやリスクを理解したうえで自分の判断で申請するのでなければ、ご相談を受けた方には「作らないほうがいいですよ」とアドバイスしています。

 市民の利便性というよりも、現時点では役所の業務が大きく変化
 さて、それではマイナンバー制度とはどのような制度なのでしょうか。マイナンバー制度は「行政手続きにおける個人を識別するための番号の利用等に関する法律」という法律に基づく制度です。長いので個人番号法と略されています。個人番号法の目的は
①    行政運営の効率化及び行政分野におけるより公正な給付と負担の確保
②    国民が手続の簡素化や本人確認の簡易な手段その他の利便性の向上
で、税と社会保障、災害について利用するとあります。総務省は、国民が便利になることがあたかもが一番の目的のようなインフォメーションの仕方ですが、実は一番影響があるのは役所です。現在は、例えば市役所が持っている情報も税部門と子育て支援部門と管轄が違えば、いくら庁内でも勝手に情報を使うことはできませんでした。実は本人同意のもとにすでに庁内で情報のやり取りはしており、それによって書類の提出をしなくてもよいという「市民の利便性」はすでに行われています。マイナンバー制の開始は、個人番号を使ってシステム上で同じ人物をつなぎ合わせ確認をすることをできるようにするということです。
 そのほか、自治体と国、日本年金機構などの機構とのあいだで連携できるようにするシステムにも順次接続していきますが、このしくみこそがマイナンバー制度なのです。市民の利便性はその次のこと。個人番号の活用がまず税部門から始まったり、銀行の新規口座開設時にマイナンバーが必要になるように法改正したのも、所得や資産と制度との関連を国が優先したということにほかなりません。
 市民にとっての「便利」という意味では、自動交付機による住民票などの証明書発行はこだいら市民カードや住基カードですでに行っていますし、総務省の広報に大々的に取り上げられているコンビニでの証明書交付は小平市では現在実施されていません。コンビニ交付については、安全性や費用対効果の面で行うのがベストなのか疑問に思っています。前述のとおり市の制度での独自利用の面では庁内連携はすでに紙ベースで行われていますし、いまのところ市民にとっての利便性はないと言ってよいと思います。
災害時の活用については、国のほうで具体的なことは何も決まっていません。

 マイナンバー制度の本当の目的は何なのか?
 マイナンバー制度については、国の委託として自治体が受けなければならない法定受託事務であり、マイナンバー関連の市条例の賛否は、小平・生活者ネットワークとして議論を重ね慎重に判断しました。担当部署も国の決定や通知が遅い中でタイトなスケジュールをこなしていることには労いの気持ちも持っています。結論として、関連する条例5本についていずれも反対したのは、制度への課題をしっかりと市議会の中でも提起する必要があると考えてのことです。
 日本のマイナンバー制度は、諸外国の共通番号制に比べても税と社会保障制度全般にわたる個人情報をつなげることになり、いくら1か所に情報を集めるものではないとはいえ、非常にリスクは高くなります。公正な社会保障の実現は、持てるものから適正に税を取り、再分配するということですが、マイナンバー制度がそのために機能するのは今のところ期待できません。
 また、個人番号カードについては、カードを持たなくてもこれまで通り各種制度は同じように受けられるものであり、交付への誘導とも思えるような広報の仕方は非常に問題です。これまで、数回にわたり個人番号法に関する制度(マイナンバー制度)について学んできましたが、そこでわかったこととして個人番号カードについて政府自民党は、IT総合戦略本部でのマイナンバー部会でロードマップ案を提示していますが、そこでは2019年までに8700万枚の個人番号カードの交付を目標とし、民間活用の拡大を目論んでいるということです。

 マイナンバー制度のシステムは、この1月に庁内連携が始まり、国との機関との接続は来年2017年1月から、自治体間の連携接続の開始は来年7月からです。今後も課題を指摘しながら様子を注視していきたいと考えています。