「まじって暮らす」を公共施設マネジメントの柱に

2015年2月8日 22時52分 | カテゴリー: 活動報告, 環境・まちづくり・行政

 

2月4日に公表された小平市公共施設白書

 日本全体の高齢化に伴い、税収が増え続けることは見込めないなか、公共施設をどのようにしていくかは、小平を含め全国の都市が抱える大きな課題です。小平市内にもたくさんの公共施設があり、人口減少も見据え維持・更新の計画をつくるには「小平をどんなまちにするか」というビジョンにもとづいてまちをデザインする発想が欠かせないと考えています。小平・生活者ネットワークが描くのは「まじって暮らす共生のまち」。縦割りでなく、たとえば高齢者と子どもが同じ建物で過ごす複合施設は、公共施設マネジメントの視点でも有効です。 

10年後には老朽化のピークが始まる
 小平にある公共施設は19の小学校に8つの中学校。地域センターが19館に公民館が11館、図書館が8館、そのほかにも市民会館や市立保育園、グランドや高齢者施設など数多くあります。市はこの2月に公共施設白書を作成しましたが、それによると約10年後の2026年から施設老朽化のピークが始まり、その後10年間の2037年までの施設更新に必要な費用の試算は557億円にのぼります。
 市の年間予算が600億円前後ですから、いまのまま同じように建て替えをするのは困難であることは容易に想像がつきます。しかし、コスト面だけを見て、数字だけでどんどん縮小していくだけでは市民生活に支障をきたします。といって、同じことの繰り返しでは財政面で逼迫してしまい、次世代へツケを残すことになりかねません。 

ハードは縮小、ソフトは拡充という時代へ

建て替えのための仮園舎(2014年2月撮影)

 先日、小平市議会の議員研修で公共施設マネジメントをテーマに東洋大学客員教授の南学氏を招いて講義を受けました。南氏の提唱する「縮充」=施設面積は縮小しながら中身は充実させるという考え方には非常に共感します。介護や子育てなど家族だけでなく地域で担う施策は少子高齢社会にともないこれまでよりも増えていきます。その意味でも、縮充という非常に難しいマネジメントをこれからの行政は求められているのです。
 実現のためには縦割りを超えなければならず、行政よりも議会の役割が重要になるとの話も、これまでの議会活動をとおして実感を持って聞きました。

コミュニティの未来像を市民が話し合う場を
 南氏の話は公会計改革との関係や行政の施設管理のことなど多岐に渡りましたが、まずは利用者数や稼働率、コストなどデータを客観的に見ることから始め、発想転換をしていくというものでした。広域連携のための工夫やなど参考になることもたくさんあり非常に勉強になりましたが、決定プロセスについては、もともと行政側にいた方ということで市民の声についての理解が私とは違うと感じた面もあります。
 データからサイレント・マジョリティの声を読み取るというのは、ややもすると行政に都合のよい読み取りになる可能性もあります。データをもとに、実際に地域に住み、暮らしの課題を知る市民の生の声を市民同士が話し合いながら決めていくプロセスがないと、納得のいく施設の統廃合はできないと思うからです。
 そのためには、大きなビジョンを人の暮らしに沿って描き、縮小だけでない縮充の工夫をしていく。「まじって暮らす」の柱があれば、例えば学校は子どもが減ったらいらない、というのではなく、防災や高齢者と子どもの異世代交流などコミュニティ再生の機能として再編成していくという発想も生まれます。
 これまで、行政の縦割りに合わせ分断されてきた人々の暮らしを、市民が主役の公共施設マネジメントによって再構築する機会にしていくチャンスと捉えています。