うつは国民病、他人事でなくみんなの問題として考えよう

2014年12月1日 21時12分 | カテゴリー: 介護・福祉・医療, 活動報告

 日本の5大疾病が何かを知っていますか? がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、そして精神疾患です。統合失調症やうつ病など心の病はがんを患う人の2倍以上、300万人を超え、なかでもうつ病は急増しています(厚生労働省調査)。精神疾患は弱さの表れではありません。「あの人が?」と思うような人でも、なにかのきっかけでうつになることはありえます。誰もがかかりうる心の風邪として考え、付き合い方を考えていく必要があります。 

精神保健福祉を考えるつどいは今年で18回目。席が不足するほどの盛況ぶりだった。

元気回復行動プラン・ラップの講座から
 11月29日、小平市福祉会館で精神保健福祉を考えるつどい「元気を保つにはどうしたらいいの?―WRAP(元気行動回復プラン)を知ろう―」という集会があり参加しました。会場は超満員120名を超える出席者で関心の高さに驚きました。
 講師の増川ねてるさんは精神疾患を抱える当事者で、19歳の時に発症し一時は9種類もの薬を飲み、仕事もできない状況でした。現在は、精神科での治療の中で知ったWRAP(ラップ)のファシリテーターとして、福祉の仕事をしながら活動中です。

ラップとは
W Wellness 元気
R Recovery 回復
A Action  行動
P Plan   プラン
の略称で、「いい感じの自分」で毎日を過ごすことができるように、自身の健康と元気を自分でコントロールしていく方法です。
 医学的な研究によるものではなく、精神疾患の当事者が元気になった過程でどんなことをしていったかを体系的にまとめていったもので、実践的な生活の回復術とのことでした。

「いい感じの自分」になれる生活術

模造紙に各自思いつくまま「いい感じの自分」になれる時間を書いていった。

 たとえば、たけのこが大好きで食べると幸せな気持ちになる人にとって、たけのこは「気分を明るくする薬」と同じ効能がある――そんな説明から増川さんの話は始まりました。人生にはいろいろなことがある、つらくて苦しいときにどうしたらいいか、それぞれのやり方で意識的・自覚的に自分の生活をデザインする「自分の取扱説明書」のようなもの。実際にはもう少し詳しいプランニングがあるようですが、この日はグループに分かれて「自分がリラックスしていい感じになれるにはどんなことがあるか」を話し、模造紙に書き込みました。
 その後は、ほかのグループを自由にまわってどんなことが書かれているかを情報共有。この情報共有も自分にあった方法を探るために大切だということです。靴を磨く、お風呂にゆっくり入る、散歩する…そんなすぐできることもたくさんかかれていました。音楽を聴くとかTVを見るというのも多くて、ここでは嵐が一番人気でした。私はマツコ・デラックスの番組を見ると書いたところ、「私も好き」という書き込み多数。
 なんだ、そんなことかと思われるかもしれませんが、そんなあたりまえのように思えることが日常の幸福感につながっているのかもしれません。増川さんが通院していた医師に「朝起きられないけど、先生はどうしてますか?」と聞いたときに、「カーテンを開けて眠る。朝日が差してスッキリと起きられる」と返事があったそうです。やってみると確かにスッキリ起きられる! 「睡眠薬を処方する前にこの方法を教えてくれたらよかったのに!」というツッコミに会場は爆笑でしたが、たしかにそのとおりだと思います。
 病気を薬で治療するだけでなく、生活のなかでコントロールし付き合いながら、いい感じの自分でいられるようにする――WRAPは現代社会に生きる私たちの強い味方かもしれません。