食の安全は消費者である私たちが守ろう!

2013年1月25日 11時01分 | カテゴリー: 活動報告, 環境・まちづくり・行政

講師の天笠啓祐さん

 1月22日、ジャーナリストで市民バイオテクノロジー情報室代表の天笠啓祐さん講師の学習会「放射能汚染だけじゃない。怖い遺伝子組み換え作物」に参加しました。放射能汚染による内部被曝を低減するにはトータルに食の安全を考えていくことも重要ですし、持続可能な環境や生態系を守っていくためにもまず「知る」ことが必要です。天笠さんの話を元にまとめました。

 

表示なしは遺伝子組み換え作物を使用? 不使用?
  ここに味噌と醤油があります。どちらも大豆を使っていますが、原材料表示に遺伝子組み換えと書いてないものは、遺伝子組み換え大豆を使っているでしょうか? いないでしょうか? 答えは…味噌は使っていない、醤油は使っているです。同じ「大豆」という表示なのに全く正反対になるのはどうしてでしょう。それは食品表示の制度がわかりにくいのが原因です。
 日本の制度では遺伝子組み換え作物を使用した際に表示義務がある食品は味噌、豆腐、納豆くらい。つまり、味噌で使用と書いてないときは不使用です。いっぽう、表示義務のない醤油は使っていても表示しなくてOK。現在、日本国内では遺伝子組み換え作物は栽培されていませんから(試験栽培を除く)、国産大豆と書いていなければ遺伝子組み換え大豆である可能性が大きいということになります。輸入の場合、遺伝子組み換えの可能性が大きい理由は後述します。
 商品を選ぶときに情報がわかりにくいということは消費者にとっては大きな問題です。EU(欧州連合)では、全ての食品に表示義務があり使用しているときには「GMO」表示をするというシンプルなルールです。

 遺伝子組み換え作物はどうして危険なのか
 いま栽培・流通している遺伝子組み換え作物は主に除草剤耐性と殺虫性。たとえば生産量が増える、栄養価が上がるなどのメリットをもたらすようなものはまだなく、それだけ遺伝子の操作は繊細な技術だということです。現状は省力化とコストダウンを目的とした荒っぽい技術のみが実用化されていると言えそうです。対象となる除草剤はモンサント社(アメリカ)のラウンドアップとバイエル社(ドイツ)のバスタで、遺伝子組み換え作物はこの除草剤に対しては枯れません。つまり、畑に遺伝子組み換え作物を植えこの除草剤をまくと、雑草など植物は全て枯れて遺伝組み換え作物だけが生き残るということです。殺虫性は文字通り、その作物を食べると虫が死ぬような遺伝子組み換えです。
 最近では耐性雑草や耐性害虫が出現し、除草剤や殺虫剤の使用量が増加、人への健康被害が懸念されます。さらに種子の飛散や混入で自生がひろがり近隣農家への経済的損失や生態系の破壊なども起き始めているとのことでした。

 日本人は世界一遺伝子組み換え食品を食べている?
 遺伝子組み換え作物はトウモロコシ、大豆、菜種、綿の4つがほとんど。前者3つは食用油のほか、コンスターチや醤油の原材料となり加工品にも多く使われる作物で、日本は世界最大の輸入国です。自給率は大豆が7.3%のほかはほぼ輸入に頼っています。トウモロコシはアメリカから96.5%を輸入していますが、アメリカでは作付け割合の88%が遺伝子組み換え。同様に大豆は輸入の71.4%をアメリカが占め93%が遺伝子組み換えです。そして、菜種はカナダから91.5%を輸入、遺伝子組み換えの作付け割合は93%です。知らないうちに私たちの口には遺伝子組み換え食品がたくさん入っているということです。

 消費者目線のわかりやすい食品表示を
 

あるなたね油のの原材料表示。遺伝子組み換えについての表示は義務ではない。

 食べ物についての大事な情報が知らされていませんが、消費者は実は遺伝子組み換えでない食品を求めています。表示義務のある納豆や味噌・豆腐には遺伝子組み換え大豆が使われていない理由は「売れないから」。  そもそも食品表示は複数の法律によってバラバラに規制されており、そのこともわかりにくさの要因になっています。現在、消費者庁での一元化をめざしており3月に原案が出る予定ですが、内容を注意深くチェックしていく必要があります。

 TPPで脅かされる食の安全 
 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に加入することで求められてくることが予想されるものに、食品表示の緩和、残留農薬規制値の緩和などのほか遺伝子組み換え家畜の容認もあるとのこと。農業を守り自給率を上げることも含めて、健康と環境を守るためにTPPに加盟には反対していきたいとあらためて思いました。