まかせて文句を言う社会から、引き受けて考える社会へ

2012年2月25日 08時58分 | カテゴリー: 市民自治・参加・情報公開, 活動報告

 八王子市と府中市、三宅村を除いて原発都民投票の直接請求署名が終了しました(正式には「東京電力管内の原子力発電所の稼動に関する東京都民投票条例」の制定を求めるための直接請求)。小平では12月9日からの2ヶ月間、多くの受任者(署名集めをする登録申請をした人)が街頭署名や知り合いへの声かけなど署名活動に奔走しました。私も呼びかけた市民グループ「直接請求を成功させる会」の主旨に賛同し、受任者登録をして署名活動に協力しました。
 おりしも季節は真冬! 街頭署名の際は、厚着をしたうえにカイロを貼ったりと万全の防寒体制で臨みましたが、手袋はしなかったので私は最後には指先がしもやけになってしまいました。それでも、地道に一筆ずつ署名を集めることが直接請求の実現につながります。憲法と地方自治法によって保障されている有権者の権利を生かすためと、多くの都民ががんばりました。
 そんな甲斐あって、現在の署名数は331,809筆(2月22日現在)。冒頭の3自治体と小金井市は首長選挙の関係で署名と提出が先ですが、他の市区町村は小平市も含めそれぞれの自治体の選挙管理委員会への署名簿提出を終えています。地方自治法で定められた直接請求のために必要な署名の法定数は有権者の50分の1(2%)。東京都の場合は約21万4000筆。審査ではねられる数を推測しても、法定数には明らかに達します。小平市は2950筆が必要なところ、大幅に超える6394筆が集まりました。
各自治体の署名数はこちら⇒

 「議会があるのにどうして直接請求が必要なんだ?」という声も聞きます。たしかに、議員は選挙により市民の信託を受けていますが、それは白紙委任ではありません。新たに起こる社会課題について、市民の代弁者としての議員が発言していくのは当然ですが、市民のなかにも多様な意見があり、だからこそ議会は議員個々人としてだけでなく総体として、市民の多様性を柔軟にキャッチできるアンテナと熟議のしくみをもたなければならないのです。
 原発は残念ながら基礎自治体単位でどうにかできる問題ではありません。これはやはり国の政策課題です。しかし、大きな事故を起こした原子力発電に関して、国民の不安や疑問を受け止め議論していく機能を残念ながら国会は果していません。本来なら国民投票による意思表示の機会があるべきですが、そのしくみは憲法改正を除いて現在の日本にはありません。そして、なにより国民の判断のための前提として必要な、徹底的な情報公開と説明責任の姿勢がいまの政府には全くないのです。だから、地方政治には準備されている直接民主制のしくみ=直接請求をするのだ、と思って多くの人が行動しました。
 「任せて文句を言う社会から、引き受けて考える社会へ」社会学者宮台真司さんの言葉が思い出されます。