長寿医療制度——名前は変わっても……?!

2008年4月11日 23時27分 | カテゴリー: 介護・福祉・医療

 この4月から医療制度改正が実施され、後期高齢者医療制度がスタートしました。3月末あたりからマスコミでも話題にのぼり、「後期高齢者なんて呼び名からして失礼だ!」という声のほか、さまざまな問題が指摘されています。
 批判を受けて、政府は長寿医療制度という名前を持ち出しました。今後小平市の窓口でもこれにならい、通称として使っていくようです。でも、高齢者の方々の手元に届いている保険証は「後期高齢者医療保険証」です。これではますます混乱を招く危惧もあります。75歳以上の方当事者や身内にいらっしゃる方、それ以外でもこの制度は私たち誰もがいずれ関係してくる制度です。4月20日発行の市報でも特集号が組まれる予定ですので、ぜひご覧になってください。 
 後期高齢者医療制度(長寿医療制度)は、75歳以上の方はすべてこれまで加入していた保険から後期高齢者医療保険に移動するもので、保険料の本人負担もあります。これまで、家族の加入する保険の被扶養者だった人も75歳以上であれば同様です。保険料算定など運営は都道府県単位で設置された広域連合で行い、保険料の徴収など事務は市区町村が窓口になります。
 33兆円にも膨らんでいる医療費に対応し、老いても安心して暮らせるようにするため保険制度の存続方法を検討することは必要です。しかし、財源確保のみに目を奪われ、実際の生活の場からの声に耳を傾けなければよい制度改革にはなりません。そもそも、この制度改革は2006年に「高齢者の医療の確保に関する法律」として成立しており、本来なら、このときに今言われているような課題について充分に議論されるべきではなかったのでしょうか。
 算定基準のひとつである平均所得額が高い東京都では、保険料が高くなるという地域特性としての課題もありました。小平市議会でもこの課題の改善を求める意見書が議員提出議案として提出され、昨年12月議会で採択されています。このような意見書はほかの多くの自治体からも出され、各市区町村が拠出する形で一部負担をして保険料を抑え込むことができました。
 12月議会では、それと同時に医療制度改革の抜本的な見直しについての意見書も通過しており、国では与党となっている政党も含めて全会一致で賛成しています。つまり、地域ではキャッチできている生活現場の声は、少なくとも2年前には国まで届いていなかったということです。政府は昨年夏の参議院選挙の結果を考慮してか、その後低所得者の保険料軽減措置や被扶養者から保険者になる人への保険料支払い猶予など凍結措置を早々と決めていました。それでも広報不足は否めませんし、何より2年前充分な国民的議論のないまま制度化した責任は重いのではないでしょうか。
 スムーズな議会運営とは「早く決める」ことだけではありません。圧倒的多数という数の力におごり、地域の声、生活者の声を聞いてこなかった結果がいまこうして噴出しています。自治体レベルでは、国の制度を遂行せざるを得ませんが、あらためて議会や行政窓口が市民の声を聞き、どうしたらいま目の前も将来も安心できる社会にしていけるか共に考え提言していくことはできます。ぜひ、小平・生活者ネットワークにもご意見をお寄せください。