3月議会の一般質問②

2008年4月3日 08時54分 | カテゴリー: 議会・議会改革

メタボリック症候群重視の特定健診の課題について

 この4月から実施される医療制度改革の目的のひとつに政府は医療費適正化をあげ、医療費が高額となっている生活習慣病を予防していくとしています。具体策としてメタボリック症候群を発見し改善するために40歳から74歳の人を対象とする「特定健診・保健指導」の準備が進められています。
 これは、腹囲(男性85cm・女性90cm以上)、あるいは肥満度をあらわすBMI値に加え、血糖値、脂質、血圧を判定基準に喫煙歴と年齢を考慮して、当てはまる人に保健指導を行うというものです。
 市民が毎日を自分らしく健康に過ごせるようにするのが行政の務めですが、今回の国の制度改革がその目的にかなっているか疑問に思ったので一般質問に取り上げました。

特定健診制度の開始で、健診項目や健診対象者の変更など市民への影響はないか。特に女性に関してはどうか。
【答弁】国で定めている特定健診の必須項目からは除外される健診も上乗せして、これまでどおりの基本健康診査のレベルを保っていく。女性への影響については、これまでは国民健康保険以外の被用者保険の扶養者である女性も小平市内に住んでいれば健診を受けられたが、制度変更後はそれぞれが加入する健康保険組合の健診を受けるようになるので、広報していきたい。
⇒特定健診はメタボ健診とも言われ、メタボ発見の項目に重点が置かれ、女性に多い貧血検査などは必須項目ではありません。小平市では、従来どおりのレベルを保つということでとりあえずは安心ですが、財源は市独自で確保します。また、市内で健診を受けられるメリットを被扶養者となっている女性は失うことになり、不利益をこうむります。そもそも特定健診でメタボ基準に該当するのは、男性が2人に1人、女性が5人に1人とも言われています。ということは男性に偏った健診制度とも言え、性差医療が進む時代に逆行している気もします。

2008年4月の制度改正で、健診がメタボリック症候群の予防に特化されることで、市の健康施策全体の質が低下する懸念はないか。
【答弁】医師会の意見をもとに健診項目を上乗せし、健康相談の事業なども引き続き行うので質の低下はない。
⇒特定健診への移行でもうひとつ心配だったのは、メタボ基準以外の項目で心配な結果が出た人はどうなるのかということでした。メタボの場合は半年かけて手厚い指導を受けますが、病気は動脈硬化にかかわるものだけではありません。小平市では、これまでどおりメタボ以外の疾患の可能性のある人も医師の指導を受けることができるということを確認できました。これまでの水準を保とうという市の姿勢は評価できます。

特定健診および保健指導の実施機関はどこになる予定で、質の保持について市としてどのような具体案を持っているか。
【答弁】健診はこれまでどおり医師会に委託、保健指導は業務委託を基本にするが健康課に保健師と嘱託栄養士を増員して質の維持を図る。
⇒健診については従来どおり医師会が行いますが、保健指導はまったく新しい分野です。厚生労働省のモデル事業としては出版社やスポーツクラブなどが新規参入しているようです。面接後半年をかけて、メールや電話で行われる指導にどのような実効性があるか注意深く見守っていく必要があります。

特定健診・保健指導に関わる請求・決済はどのように行われるか。また、若年層や後期高齢者対象の健診に関わる請求・決済との関係はどのようになるか。
健診データ管理のシステム構築や出納システムの変更および制度実施のための人員配置など、変更に伴う費用はどのように試算されているか。
【答弁】現在の診療報酬の請求支払いの流れとほぼ同じ。後期高齢者の健診も特定健診と同じで国民健康保険団体連合会経由になる。市が独自に行う40歳未満の健診については医師会に直接支払う。東京都国保連合会が開発するシステム開発費として2600万円、ほかに健康課増員の人件費、特定健診・保健指導の委託料など事業実施にはおおむね1億5700万円を見込んでいる。
⇒今回の医療改革は、後期高齢者医療制度の創設も含めたいへん大きな制度改正です。医療費の抑制という名目とはいえ、これだけ大きなお金をかけてあらたな保健事業を起こすわけですから、市民全体の健康の底上げにつながるものでなくてはなりません。保険指導については、厚生労働省の調査によると積極的支援で1人1万6000円〜3万円という価格設定をした機関が最も多かったようです。個人の生活そのものに踏み込む保健指導をどのように行うのかも含めて、この新事業をしっかりとチェックしなければなりません。

メタボリック症候群の該当者を減少する5年後の目標数値が未達成のとき、市にかけられるペナルティはどのようなものか。
【答弁】実施5年後にメタボ基準該当者が目標数値に達しない場合、後期高齢者医療支援金を最大で10%加算する。
⇒目標値は2012年度に健診受診率を65%、メタボ基準該当者をマイナス10%にするというもので、現状から考えるとたいへん高い目標です。加算というペナルティもありますが、逆に達成度によっては減算もあります。試算によると小平市の場合、最大でそれぞれ約2億円にもなります。それにしても40歳から74歳以下のメタボの人を減らしたら、75歳以上の方たちへの支援金を減らしてやる、逆に頑張れなかったら支援金を増やすぞ、というのはいったいどんな制度なのでしょう?! 保健行政に関わる職員は市民全体の健康を増進するために日々汗して働くのであって、少しでも払うお金を少なくすることを目標に働いているのではありません。市のレベルでは制度を遂行することを認めざるを得ませんが、国の考えには違和感を拭いきれません。これから5年間この制度をしっかりと見つめていきたいと思います。