「性暴力防止法」の制定を!

2007年11月25日 12時48分 | カテゴリー: 子育て支援・女性・男女平等参画

 11月23日から25日までの3日間、幕張メッセと国際能力開発支援センター(OVTA)を会場に、「NO MORE DV——DV根絶国際フォーラム・第10回全国シェルターシンポジウム2007」が開かれ、日本全国そして海外からもたくさんの人が参加しました。私は24日に行われた分科会のうち、「性暴力被害者支援に向けて」に出席しました。
 女性への暴力に対応できる法律には、「刑法」の強姦とわいせつ罪、DV防止法、児童虐待防止法、ストーカー規制法、児童買春・ポルノ禁止法などがあります。しかし、強姦の定義はごく狭い範囲でしかない、DV防止法の適用は配偶者間に限られている、売春については売春防止法があるものの売春をする側のみが罰せられ肉体的・精神的暴力により強要されることなどへの対策がない……などなど、性暴力から女性を守るしくみについてはトータルな整備がまだまだなされていないのが日本の現状です。
 分科会では、性的被害にあった女性は、子どもの頃に性的虐待を受けたり両親のDVを目の当たりにする経験を高い割合でしているという“連鎖”の構造が、精神科医や支援施設の運営者など専門家によって報告されました。
 性的被害は、複合的・連続的に起こり、その苦しみから薬物依存やアルコール依存症に陥るケースも少なくないそうです。あるいは、人間不信になり社会に出ても人間関係をうまくつくれず、何度も暴力的な男性と関係を持ってしまったり、売春などの性的搾取産業の中でしか生きる術をもてないという人もいます。
 長い時間をかけて彼女たちに寄り添い、ともに苦しみながらサポートを続けてきた人たちの話はとてもここに書ききることはできません。性暴力を受けるということは、自分が一人の人としてではなく、性の対象としてしか見られていない、人間として扱われなかったということです。この痛みは女性であれば、想像に難くないでしょう。
 性被害にあった人を救済するために、現行法では抜け落ちるものをトータルに包み込む「性暴力防止法」を制定し、性暴力被害者支援センターを設立しようというメッセージが発信されました。
 会のあとに行われた議員フォーラムには、各党の女性国会議員が参加し、超党派で女性への暴力をなくすための取り組みをしていることが報告されました。

 分科会のあとは、婦人保護施設についてのワークショップ、そして議員フォーラムと長い1日で、印象に残った話があります。
 DVを見て育った子どもは、こころに何らかの傷を抱えてしまう。女の子はPTSDなど症状に出ることが多いが、男の子の中には非常に適応力が高く心の傷が外在化しない人がいる。社会的には破綻がなく大人になって職場でも評判がいいが、家庭を持ったとたんスイッチが入ってしまい配偶者への暴力(言葉の暴力を含めて)が始まってしまう……
 この場合本人も「どうしてこんなことをしてしまうのか」と悩むそうです。こういうケースは暴力を受けていた母親も同じように適応性が高い(我慢していた?)ことが多いとのことでした。こんな見えない形での連鎖もあるのです。
 女性も男性もラクチンになるためには、ジェンダーの問題、誰もが人として大切にされるべきという人権の問題を考えることは避けて通れない道です!