病児保育の課題をしっかり見つめたい

2007年3月29日 08時39分 | カテゴリー: 子育て支援・女性・男女平等参画

●子どもの個性・育ち、親の事情にあったさまざまな支援メニューを——②
 子どもを育てながら仕事を続ける親にとって、最も悩ましいのは子どもが病気になったときです。もちろん、親であれば具合の悪いわが子についていてあげたいという気持ちに迷いはありません。私自身も周りの友人・知人たちも子どもが熱を出したり具合が悪いときには、何をさておいても仕事を休み看病していました。
 わが家の一人っ子はよく熱を出す子でしたから、パートナーとお互いに仕事の調整をしてどちらかがその日の仕事をあきらめたり、大急ぎで仕事を取りに行って家でやったり、場合によっては夜中に仕事をしたりと、綱渡りのようにやってきました。フリーランスで働いてきたので、いくつ仕事を断ったかわかりません。
 フルタイムで働く人は有給はありますが、仕事の調整という面ではもっと大変でしょう。本来なら、子どもの病気や親の介護のときには制度を利用して、気兼ねなく休めるような労働環境が整っていることが理想です。しかし、残念ながら現状はそうではありません。
  
 子どもは回復が早いですから、熱が下がって完治するまでには病状も安定し元気になることもあります。「もうこれ以上休めない」というときに、信頼できる相手に子どもを預けて仕事に出ることができれば、と思うお母さん・お父さんはたくさんいます。
 親が子どもを看るのはあたりまえのことなのに、この何日かのやりくりのために職場に居づらくなったり、逆に子どもに十分してあげられないという思いで仕事をあきらめる女性もいます。おじいちゃんおばあちゃんにばかりは頼れません。そこで、求められているのが病児保育・病後児保育です。

 厚生労働省では、2006年に緊急サポートネットワーク事業と称して、病児・病後児保育の委託事業を開始しました。現在全国約600ヶ所の受け入れ先を5年間で1500ヶ所に増やそうというものです。
 病児保育は、小児科医との連携はもちろん、親と保育者との連絡も密にとらなければならないので、子どものためにも地域密着型であることが優先されます。東京都ではベテランママを会員として子育て中の親をサポートしようというNPO法人フローレンスが有名です。緊急サポートネットワーク事業としてではなく預かりをしているところもあり、私の知っている例では一部地域のシルバー人材センターや小児科医院などで行っています。
 病児・病後児保育には課題もたくさんあります。インフルエンザなどの感染症の場合は預かる側にもリスクがあります。病状が急変したときにどうするかの連絡体制、受け入れ医療機関との連携、預ける・預かる側との信頼関係……とまさに子育て支援の質が問われます。
 「病気の子どもを預けるなんて……」と非難するのは簡単ですが、私はそんな苦しい親の思いを受け止め、「大丈夫よ、いってらっしゃい」と送り出してくれる信頼関係、地域の力があるということの大きさを感じます。そういう助けの中で、親の側にも周りに感謝したり人を信頼する気持ちがわいてくるのではないでしょうか。私自身がそうでした。

 小平市でも病後児保育の開始が検討されているようです。課題が多いから「しないほうがいい」ではなく、本当に困っている親のために受け入れ体制を整え、いっぽうで子どもの病気や親の介護に気兼ねなく休暇を取れるような社会環境を整えることをあきらめず訴え続けていく——子育て支援にはやはり「地域の育児力向上」と「働き方の見直し」という二つの柱だとあらためて感じます。

(*認定子ども園などについては3月30日以降、順次アップします)